かつてのヴィレッジヴァンガード三宮店(2020年撮影)
ユニークな品ぞろえで人気を集める雑貨店「ヴィレッジヴァンガード」が、近年の業績低迷により、全店舗の約3割を「閉店」する方向で検討しているようです。
画像:ヴィレッジヴァンガード2025年5月期決算説明資料より
”ヴィレヴァン”ことヴィレッジヴァンガードは、独自の品ぞろえとお店の雰囲気で、1990年代ごろから若者を中心に人気を集めていました。
一般的な書店ではあまり売られていないような商品も多く、サブカルチャーの聖地とも呼ばれていたようです。
販売競争の激化や人手不足による人件費の高騰、原材料価格の上昇など、小売業界で厳しい経営環境が続くなか、ヴィレッジヴァンガードは店舗・ポップアップ・オンラインの3つの事業を柱に展開していました。
画像:ヴィレッジヴァンガード2025年5月期決算説明資料より
2025年5月期連結決算によれば、今期は増収減益となりましたが、最終損益は42億円の赤字と、2期連続の赤字に。
低迷する業績を立て直すため、2026年5月期以降に、全店舗の約3割にあたる「81店舗」の閉店を検討しているそうです。
検討対象店舗は路面店、テナント店問わず、全国の店舗。具体的な対象店舗は現時点では発表されていません。
画像:ヴィレッジヴァンガード2025年5月期決算説明資料より
ピーク時には約400店がありましたが、今年5月末時点では293店舗となっています(ニュースタイル/アウトレット含む)。閉店検討対象の81店が閉店となれば、ピーク時の半分ほどになることに。
日本経済新聞の報道によれば、近年の店舗はいくつかの変化があったようです。
一つは「出店戦略」。サブカルへの造詣が深いスタッフがいることがヴィレヴァンの魅力でしたが、急速な出店により人材を確保しきれず、十分な体験価値を提供できなくなったようです。
約10年前に導入された「販売情報管理システム(POS)」も、裏目に出た可能性があると指摘しています。このシステムにより売れ筋商品を仕入れることが増え、結果的にヴィレヴァンらしい”個性”が薄れたという見方もあるみたい。
学生時代はよく通ったものの、最近は行ってないな~という人も多そうです。関西の店舗が「閉店検討店」に含まれているかどうかは不明ですが、来年以降なくなっているかも。久しぶりにお近くのヴィレヴァンに遊びに行ってみてはいかがでしょうか。
◆関連リンク
・ヴィレッジヴァンガード – 公式サイト
ゆう
神戸で生まれ育った神戸っ子。趣味は、自然に癒やされながらの散歩とサイクリング。プリンが大好物のよく笑う人です。
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